皆さん、こんにちは。公認会計士・税理士の大木です。
前回、そもそも消費税はどういった取引に課税されるのか?について書きましたが、今回は、消費税が課税されない取引や輸入取引の場合について書きたいと思います。
まず、消費税が課税されない取引について説明したいと思います。消費税が課税されない取引には、不課税取引、非課税取引、免税取引があります。
不課税取引とは、消費税課税対象となる4つの要件を満たさない取引のことですので、そもそも課税対象外となります。
非課税取引とは、消費税課税対象の4つの要件を満たす課税取引なのですが、例外的に消費税が課税されない取引です。
免税取引とは、輸出取引や輸出取引に類似する取引のことで、これらの取引は消費税が課税されません。
例外的に消費税が課税されない取引である非課税取引について、もう少し詳しくご説明します。
消費税は4つの要件を満たす取引が基本的に課税対象となりますが、課税対象の中には消費税の課税対象としてなじまないものや社会政策的な配慮から課税することが適当でない取引があります。このように本来、消費税の課税対象となる取引ではあるものの、課税対象から外されて消費税を課税しない取引を非課税取引としています。
これは「消費」という概念と、消費税の課税要件の1つである「資産の譲渡等」という定義には若干ズレがあり、「資産の譲渡等」には、「消費」とは考えにくい土地や有価証券の譲渡等も含まれてしまいます。そのため、「消費」という概念になじまないものは非課税としています。
また、「消費」という概念に合致し、「資産の譲渡等」に該当するものであっても、医療や教育等、税負担について国民の理解を得にくいと判断されたものは、政策的配慮から非課税とされています。
なお、詳細は割愛させて頂きますが、この非課税取引に該当する取引は13項目あります。
次に、輸入取引における消費税について書きたいと思います。
国内取引は消費税の課税対象の4つの要件の1つとなりますが、それではモノ等を輸入した場合の輸入取引は消費税の対象となるのでしょうか?
輸入取引については、保税地域から引き取られる外国貨物が課税対象となります。
保税地域とは何ぞやと申しますと、「輸出入手続きを行い、また、外国貨物を蔵置し又は加工、製造、展示等をすることができる特定の場所」と定義されています。ちょっと難しい定義ですが、簡単に言うと保税地域とは、外国から輸入してきた貨物を税関の許可が下りるまで一旦置いておく場所になります。
通常の国内取引である場合、モノやサービスの仕入先に消費税を含めて購入額を支払っていますが、輸入品の場合、購入時に外国の仕入先には本体価格のみの支払いで消費税は支払っていないので、保税地域から引き取る際に消費税を納税することとなります。
今回は少し専門的であったため、分かりづらかったかと思います。
イレギュラーな取引が行われる場合は、「そもそもこの取引って消費税の課税対象なのだろうか?」と少し立ち止まって調べてみるのが良いと思います。
インボイス制度や簡易課税制度も含め、消費税についての疑問点や対応方法等についてお悩みがありましたら、是非一度、当事務所にご相談くださいませ。
【国税庁・消費税のしくみ】
【財務省・「消費税」を知ろう】
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