【令和8年10月】インボイス制度改正で何が変わる?7割控除や2割特例の終了を税理士がわかりやすく解説
- 8月6日
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こんにちは。
練馬区で消費税やインボイス制度に関する税務サポートを行っている会計事務所、「大木会計事務所」です。本日は、「令和8年10月からのインボイス制度改正」について解説いたします。
令和8年10月1日から、インボイス制度に関する経過措置が改正されます。
特に重要なのが、インボイスを発行できない免税事業者などから仕入れた場合の控除割合が、現在の80%から70%に引き下げられることです。また、インボイス登録をきっかけに課税事業者となった人が利用している「2割特例」も終了時期を迎えます。
本記事では、改正内容や事業者への影響、今から準備しておきたいことを、会計や税務に詳しくない方にも分かりやすく解説します。
目次
1.そもそもインボイス制度とは
1-1 インボイス制度の基本的な仕組み
インボイス制度は、令和5年10月1日に始まった消費税の制度です。
正式には「適格請求書等保存方式」と呼ばれます。
消費税を納める事業者は、売上先から受け取った消費税から、仕入先などに支払った消費税を差し引いて納税額を計算します。この、支払った消費税を差し引く仕組みが「仕入税額控除」です。
インボイス制度の開始後は、原則として仕入税額控除を受けるために、インボイス発行事業者が発行した請求書や領収書を保存する必要があります。
つまり、取引先がインボイス発行事業者かどうかによって、納付する消費税額が変わる場合があります。
1-2 免税事業者との取引で生じる問題
年間の課税売上高が一定額以下の事業者などは、消費税の納税が免除される「免税事業者」になることがあります。免税事業者は、原則としてインボイスを発行できません。
そのため、課税事業者が免税事業者に仕事を依頼したり、商品を仕入れたりした場合、支払った消費税相当額をそのまま全額控除することはできません。
ただし、制度開始直後から全額を控除できなくすると取引への影響が大きいため、一定期間は一部を控除できる経過措置が設けられています。この経過措置の内容が、令和8年10月から変更されます。
2.令和8年10月のインボイス制度改正
2-1 仕入税額控除が80%から70%へ
現在、課税事業者が免税事業者などから仕入れた場合でも、一定の帳簿や請求書を保存することで、仕入れに含まれる消費税相当額の80%を仕入税額控除の対象にできます。
令和8年10月1日からは、この控除割合が80%から70%へ引き下げられます。
当初の制度では、令和8年10月から50%へ引き下げられる予定でした。しかし、事業者への急激な影響を抑えるため令和8年度税制改正により、まず70%へ引き下げる形に見直されました。
例えば、免税事業者に税抜100万円、消費税相当額10万円を支払った場合、現在は最大8万円を控除できます。令和8年10月以降は最大7万円となるため、購入側の消費税負担は1万円増える計算です。
2-2 控除割合は今後も段階的に下がる
今回の改正は、免税事業者からの仕入れについて、今後もずっと70%を控除できるようにするものではありません。控除割合は、次のように段階的に引き下げられます。
令和8年9月30日まで:80%
令和8年10月1日から令和10年9月30日まで:70%
令和10年10月1日から令和12年9月30日まで:50%
令和12年10月1日から令和13年9月30日まで:30%
令和13年10月1日以降:原則として控除不可
経過措置の終了時期は、当初予定より2年間延長され、令和13年9月30日までとなりました。
今回の改正は「インボイス制度がなくなる」「免税事業者との取引でも問題がなくなる」というものではありません。控除割合が急激に下がらないよう、時間をかけて縮小する制度へ変更されたと考えるのが適切です。
3.2割特例の終了と3割特例
3-1 2割特例はいつまで使えるのか
インボイス登録をきっかけに免税事業者から課税事業者になった人には、「2割特例」という負担軽減措置が設けられています。
2割特例を利用すると、納付する消費税額を、原則として売上にかかる消費税額の20%に抑えることができます。実際に支払った経費を一つずつ集計して仕入税額控除を計算する必要がないため、税負担だけでなく事務負担も軽減されます。
ただし、2割特例は、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日を含む課税期間を対象とする時限的な措置です。すべての事業者が令和8年9月分まで一律に利用できるという意味ではなく、個人か法人か、決算期がいつかによって、最後に適用できる申告期間が異なります。
3-2 個人事業者向けの3割特例とは
2割特例の終了後、一定の個人事業者については、令和9年分と令和10年分の消費税申告で「3割特例」を利用できます。
3割特例では、納付する消費税額を、原則として売上にかかる消費税額の30%として計算します。
2割特例より負担は増えますが、一般課税によって仕入れや経費を細かく集計する場合と比べて、計算を簡略化できる可能性があります。
ただし、3割特例は個人事業者を対象とした制度であり、法人は利用できません。また、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることや、インボイス発行事業者として登録していることなどの要件があります。
法人については、2割特例の終了後、原則として一般課税または簡易課税によって消費税額を計算することになります。
4.インボイス制度改正による影響
4-1 課税事業者への影響
課税事業者が免税事業者と取引している場合、令和8年10月以降は仕入税額控除できる割合が80%から70%に下がるため、消費税の納付額が増える可能性があります。
影響が生じる主な取引としては、インボイス登録をしていない個人事業主やフリーランスへの外注費、免税事業者からの商品仕入れ、店舗や事務所の賃借料などが考えられます。
ただし、相手が免税事業者だからといって、直ちに取引を中止したり、消費税相当額を一方的に値下げしたりしてよいわけではありません。取引条件を変更する場合は、取引価格や業務内容などを踏まえ、相手方と十分に協議することが必要です。
経理面では、令和8年9月までの80%控除と、10月以降の70%控除を正しく区分して処理しなければなりません。
4-2 免税事業者への影響
免税事業者にとっては、取引先が控除できる割合が下がることで、インボイス登録を求められたり、取引価格の見直しを相談されたりする可能性があります。
一方、今回の改正により、控除割合は当初予定されていた50%ではなく70%となりました。
そのため、免税事業者との取引に対する急激な影響は、一定程度緩和されています。
ただし、70%控除は一時的な措置であり、その後は50%、30%と段階的に縮小します。
現在は大きな影響がなくても、将来的な取引関係や売上規模を踏まえ、免税事業者のままでいるか、インボイス登録をして課税事業者になるかを検討する必要があります。
5.令和8年10月までに準備すること
5-1 取引先と会計処理を確認する
課税事業者は、まず取引先の中にインボイス未登録の事業者がいるかを確認しましょう。
そのうえで、年間の取引額と、控除割合が80%から70%へ下がることによる影響額を把握します。
会計ソフトを利用している場合も、自動的にすべて正しく処理されるとは限りません。令和8年10月以降の税区分が適切に設定されているか、ソフトの更新が必要か、請求書の日付や取引日をどのように入力するかを確認する必要があります。
特に、令和8年9月と10月をまたぐ継続取引や請求については、単に請求書の発行日だけで判断するのではなく、実際にいつ仕入れやサービス提供が行われたかを確認することが重要です。
5-2 インボイス登録を改めて検討する
免税事業者は、取引先から求められたという理由だけで、すぐにインボイス登録を決める必要はありません。登録すると消費税の申告と納税が必要になり、帳簿や請求書の管理に関する事務負担も増えます。
一方で、課税事業者との取引が多い場合には、インボイスを発行できないことが今後の契約に影響する可能性があります。
検討する際は、次の点を確認しましょう。
主な取引先が課税事業者か、一般消費者か
取引先からインボイス登録を求められているか
登録後の消費税負担はいくらになるか
2割特例、3割特例または簡易課税を利用できるか
将来の売上や取引拡大をどのように見込んでいるか
インボイス登録の有利・不利は、売上金額だけでは判断できません。取引先の状況や経費の内容も含めて検討することが大切です。
まとめ
令和8年10月1日から、免税事業者などからの仕入れに適用される経過措置の控除割合は、80%から70%へ引き下げられます。その後も50%、30%と段階的に縮小し、令和13年10月以降は原則として仕入税額控除ができなくなります。
また、インボイス登録をきっかけに課税事業者となった人が利用している2割特例も終了時期を迎えます。
一定の個人事業者には3割特例が設けられますが、法人は対象になりません。
今回の改正は、インボイス制度が廃止または恒久的に緩和されるものではありません。課税事業者、免税事業者のいずれも、令和8年10月以降の税負担や取引への影響を早めに確認しておくことが重要です。
練馬区周辺でインボイス制度や消費税申告についてのご相談、信頼できる会計事務所をお探しの際は、ぜひ一度「大木会計事務所」までお問い合わせください。

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