【2025年最新】年収の壁とは?103万→160万円へ拡大!制度の全体像を解説
- 大木 博
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- 2025年9月17日
- 読了時間: 3分
更新日:2025年10月7日
はじめに
2025年の税制改正により、長年続いてきた「103万円の壁」が見直され、所得税の非課税ラインが最大160万円まで拡大されることとなりました。
これを受けて、「扶養内で働くにはどこまで稼げるの?」「結局、税金や保険はいつからかかるの?」といった疑問の声が多くの現場で上がっています。
しかし注意すべきは、“年収の壁”はひとつではなく、複数存在するということ。所得税・住民税・社会保険・控除制度など、それぞれに異なる“分岐点”があるため、単純に「160万円まではOK」とは言い切れないのが実情です。
本稿では、これらの「年収の壁」を制度別に丁寧に整理し、制度の全体像をわかりやすく把握できる構成にしました。
「年収の壁」とは?──制度ごとに異なる「境界線」
「年収の壁」とは、パート・アルバイトの方が一定の年収を超えると、次のような変化が生じる“転換点”を指します。
- 所得税や住民税の課税が始まる- 社会保険の加入が義務づけられる- 配偶者の扶養控除や社会保険扶養から外れる
つまり、本人の手取りや家計、世帯全体の税負担に影響を及ぼす重要なポイントです。
年収の壁が複数あるのは、制度が複雑に絡み合っているためで、それぞれの“境目”を正しく認識することが何よりも大切です。

2025年からの「160万円の壁」とは?
2025年の税制改正により、所得税の非課税ラインが最大160万円まで拡大されます。
この金額は、以下2つの控除を合算して成り立っています。
- 基礎控除:最大95万円(年収200万円以下で満額)- 給与所得控除:65万円(最低保証額)
つまり、給与収入が200万円以下の場合、年収160万円まで非課税になる可能性があるということです(※200万円を超えると基礎控除は逓減されます)。
なお、配偶者特別控除についても、満額控除の年収ラインが150万円から160万円へと引き上げられました。

「年収の壁」はひとつじゃない──制度別の境目を整理
たとえば、配偶者の年収が160万円を超えると、配偶者特別控除は段階的に縮小され、最終的に201.6万円以上になると完全にゼロになります。
また、130万円を超えると社会保険上の扶養から外れるため、保険料の負担が本人に発生します。
社会保険の「壁」は今後さらに拡大へ
現在は従業員51人以上の企業に限定されている「特定適用事業所」に関して、今後10年かけて適用対象が段階的に拡大されます。
これにより、今まで対象外だった中小企業や個人事業主でも、週20時間以上勤務するパート・アルバイトが社会保険加入対象になる時代が到来します。
所得控除にも新制度が導入
2025年の税制改正では、従来の扶養控除制度に加えて、「特定親族特別控除」が新設されました。
この控除は、19歳以上23歳未満の大学生などの子どもがいる家庭向けの制度で、子どもの年収が150万円以下であれば、従来通り63万円の扶養控除と同額の控除を親が受けられます。
ただし、年収が150万円を超えると段階的に控除が減少し、188万円超でゼロとなります。
「壁」に惑わされない働き方の選択が重要
年収の壁を越えると「手取りが減る」と言われますが、それは短期的な見え方に過ぎません。
実際には、- 社会保険に加入することで将来の年金が増える- 傷病手当金・出産手当金などの保障を受けられる- 時間に縛られず働くことで昇給・キャリア形成のチャンスが広がる
といった長期的メリットが数多くあります。
おわりに──正しい理解が“損をしない働き方”につながる
「年収の壁」は、制度が複雑に絡み合っているからこそ、正しい情報と冷静な判断が求められます。
- 所得税の非課税ラインは160万円まで拡大- しかし、社会保険や扶養控除など他の制度の分岐点は別にある- 法改正で今後さらに条件が変わっていく可能性がある
これらを踏まえて、「年収の壁=一律の損得判断」ではなく、制度全体を見渡した上での戦略的な働き方が、これからの時代に必要とされる考え方です。

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